黒毛和牛 一貫管理体制

 「与助の牛」は出産から肥育、母牛の管理、人工授精を自ら行い、すべての牛に関わる管理をしています。そのため子牛市場などの外部からの牛の導入は一切していません。当農場で管理している牛たちは、当農場で産まれた牛たちばかりです。ただし、2019年に当農場から青森県の種牛として青森県の畜産研究所に引き取られたオス牛の精液を使って産まれた子牛(オス)を、子牛市場より1頭購入しています。

 一貫管理により、母牛とその母牛から産まれる子牛の性格と体質を知ることが出来るため、気を付けなければいけない病気や接し方、より健康的な飼養管理が可能となります。病気を未然に防ぎながら、牛に対してストレスの少ない管理を行うことを日々心掛けて牛とともに過ごしています。

 粗飼料は100%地元地域から収穫

 粗飼料とは稲わらや牧草、トウモロコシサイレージなどの植物の葉茎を主とした飼料で、牛などの反芻動物には消化機能を安定させるため、生理的に必須の飼料です。

 「与助の牛」では、健康な体と良質な母乳を作るために必要な牧草と稲わらを100%地元の地域から集めています。地元の農家さんにも協力してもらい稲刈り後の稲わらを頂いています。 また、稲わらや牧草が不足しそうになった場合は五戸町及びその周辺市町村の畜産農家さんから譲ってもらっています。

 他にも、トウモロコシサイレージや稲ホールクロップサイレージも作っています。これらを給餌することにより、食欲旺盛で健康な消化器官をもつ牛を育てています。

※ただし、天候不良などで粗飼料の採集を十分に出来ない年もあります。そのような年はやむおえず輸入牧草を使う場合があります。近年では2017年に稲わらを秋の長雨で十分な量を集めることが出来ず、不足分を輸入牧草で対応しました。

 濃厚飼料はオリジナル飼料  

 粗飼料のほかに重要な飼料として濃厚飼料があります。これはトウモロコシなどの栄養価の高い穀物が多く入った飼料です。この濃厚飼料を当農場では餌会社の(株)日和産業さんとともに牛が餌を食べる状況、枝肉の成績などを情報交換し改良してきました。そして、当農場オリジナルの飼料を作り上げ、この濃厚飼料を給餌しています。

 母牛のびのび放牧&子牛は3か月間お母さん牛と一緒

 元気な子牛を産んでもらうために、母牛にはのびのびとした草原でゆったりと過ごしてもらっています。新鮮な牧草を食べながら十分な運動をして、出産に向けて丈夫な足腰をつくります。

 また、子牛は出産後3か月間母牛と一緒に過ごします。その間しっかりと母乳を飲み、お母さん牛と一緒にいることで安心して育っていくとともに、十分な餌を食べられるようになるまでゆっくりと育てていきます。