与助の牛を支える「まつふじ」号

 母牛の「まつふじ号」は当農場で一番の古株です。すでに15頭も出産しているおばあちゃん牛ですが、直近で産んだ子牛も若い母牛が産んだ子牛以上に体格が優れているなど、年齢を感じさせない仕事をしてくれています。

 そして、この「まつふじ号」から産まれた娘、孫娘、ひ孫娘など、16頭もの「まつふじ号」に由来する母牛たちが優秀な子牛を産んでおり、「まつふじ号」は「与助の牛」を支える土台を作った敬愛すべき母牛なのです。 また、「まつふじ号」は、産んだ子牛の枝肉成績が優れていること、定期的に出産がされていることなどから、優れた母牛に認定される青森県の高等登録牛に認定されていました。

しかしながら、残念なことに2020年9月16日に高齢による体調不良が悪化し、永眠致しました。まつふじ号最後の子牛は2020年11月の子牛市場で山形県の有名な畜産農家へ競り落とされていきましたが、生後295日で395kgと相変わらずの優良な子牛でした。まつふじ号の血統を受け継いだ母牛たちは、今後も与助の牛を支えてくれる母牛です。

一歩ずつ。少しずつ。

 当農場は、すべての牛舎の建て方が違います。それは牛舎を1つ建て、また1つ建ててを繰り返していったためです。自分たちがまだ小さい畜産農家だった時に雑木林の木を伐り、地面を平らにならし、出来ることは自分たちで牛舎を建ててきたためです。そのため、見た目は綺麗でもなく、作業効率の悪い点もあります。

 そんなスマートではない当農場ではありますが、自分たちの手で造り上げた大切な牛舎で、牛たちを大事に育てています。私たちの生活を支えてくれる牛たちには、ボヤーっとのんびりと過ごしてもらいたいと思っています。